板東教授の
 映像生体影響講座

◇ストレス状態と脳活動 その9


●このような予測を行うときの課題はおそらく2つあります。
 1つは、映像をどう扱うかという問題です。これは第一回の委員会でも議論が出ましたが、要素的な映像に、意味的な映像をどう組み合わせてゆくかという問題を含んでいます。今の段階では理論的な解決はできないので、試行錯誤が必要だと思われます。
 もう1つは、予測のための良いモデルを作るという課題です。人間のモデルを作るようなものですから、全体をくまなく扱うわけにはゆきません。必要とされる機能を的確に果たすモデル化の手腕が問われます。大規模なモデルを作っても、今の段階では、結局は全部を網羅できるわけもなく根拠も十分とは言えす、単に処理速度が遅くなるだけに終わる可能性も大きいと思われます。洞察力を駆使して、何が重要で、何が付加的な問題かを判断して、できるだけ小さいが本質は押さえた「良い」モデルを作ることが求められます。
●開発するシステムの概略図はこの前、説明したものと同じです。
 被験者の反応タイプによるカテゴリー化を図るためと、被験者の初期状態を揃えるための両方の目的で映像を見るセッションに先立って、視覚的探索課題を被験者にやって貰います。
 それに続いて映像視聴による瞳孔反射や心血管反射の変化について検査します。瞳孔応答は映像の明るさの変化による対光反射の大きさや速度などから求めることができます。心血管系の検査は、これまでに開発した血圧反射指標(ρmax)などを活用して行います。フィージビリティスタディとしては、脈波伝導速度測定用プローブなどを装着したり、必要に応じて心理検査、生化学検査を行い、全体の結果の妥当性を検証しますが、実際に使う装置としては、プローブなどは用いない方向を目指しています。。
 本スタディの中での実験や、これまでの研究結果に基づいてモデルを構築し、モデルで判別された結果を健康管理のための助言、周囲の人との共有情報などとして用いることができるプロトタイプ評価装置を開発することは第1回開発委員会、今回の開発委員会で各委員が報告した通りです。