板東教授の
 映像生体影響講座

◇ストレス状態と脳活動 その6

●もっと複雑な随意運動についても、同様に記憶を活用した学習がにより、いわば、脳内プログラムを用いて行われます。たとえば、ネジまわしでネジを締めることを考えます。単に手首を回すだけでなく、視線を安定させ、首や腰を固定し、肩・腕・手の関節を協調させて運動することが必要です。その上で、直接、運動に関わる筋の収縮・弛緩を行います。最初は、ネジまわしをネジの頭に持ってゆくことも簡単ではないのですが、慣れて「こつ」が分かると、力の入れ方もスムースになり、ネジの頭を潰さずにしっかり締めることができるようになります。
 このように、学習が成立し、獲得された脳内運動プログラムが働くようになると、滑らかで迅速な随意運動ができるようになります。脳内の「外界の内部モデル」を活用して外界からの情報が運動に反映され、これを通じて外界からの感覚器を通じたフィードバック情報を微調整に使うことも可能となります。
●さて、学習のきっかけは、環境の不適合からストレス状態が生ずることです。その限りではストレスは不可欠な役割を果たすわけですが、新しい環境に対する学習がうまくゆかないと、ストレスが蓄積してしまいます。その副作用として、心と身体に種々の不具合が生じます。