板東教授の
 映像生体影響講座

◇ストレス状態と脳活動 その2
●このように世界が広がってゆきます。私たちが、外の世界を認識する、すなわち、どこに、何があるかを認識するためには、座標軸があると便利です。露骨に座標を言わなくても、時計を頭に浮かべて9時の方向とかいう表現は子供にも通じます。いろいろな座標軸を考えることができますが、私たちが最も普通に使っているのは、水平、垂直、奥行きを表すxyzの直交座標軸です。この1つとして、地球中心の座標軸を考えることができます。
 これに対して、脳は、別の座標軸も使っていると考えられています。すなわち、自己中心座標軸と対象中心座標軸の両方を持っていて、これらの座標軸をうまく使い分けていると考えられます。
 私たちは頭の中にある三半規管の働きで重力の方向が分かります。この情報に基づいて、首や足の筋肉の反射を使って姿勢を地球に対して垂直に保つことができます。直立している場合には、普通の地球中心の座標軸と自己中心座標軸は密接に関係することになります。しかし、私たちはいつも直立不動でいるわけではなく、いろいろな動きをしながら生活し、いつも頭が動いたり、傾いたりします。このような場合には、自己中心座標軸と地球中心座標軸はずれます。
 また、私たちがどのように動いても、見ている対象の物が動いても、物の形が同じものとして認識できます。見ているものが回転したからといって、違うものに見えるわけではありません。このような形の認識には、対象中心座標軸を使っているはずだという理論をMarrが提案しています。